発酵文化人類学


「発酵文化人類学」

この本を読んで、最近、感じていた「なぜ日本にはヴィンテージフードがないのか?」という疑問が解決しました。

25年もののバルサミコとか、12年もののウィスキーとか、そういう長い年月寝かせた食べ物って日本にないじゃないか?という疑問。

日本の場合は、酒”蔵”、味噌”樽”、ぬか”床”とかハード面で長期間熟成したものはあるけど、そこから生まれるものはフレッシュなものばかり。
長くて味噌?それでも3年とか5年とか
なんかないのか?と頭の中で探しても出て来ません。

少なくとも食するもの自体を10年単位で熟成させるという発想は一般的ではないように思います。

ちょうどこの点について書かれていて、気候風土による菌との付き合い方の違い(発酵文化の違い)
それと密接して形成される味覚や趣向といった食文化に違いが出てくる。
その結果、日本では、フレッシュなもの素材の繊細さを求める傾向が強くなり、長期間寝かせたヴィンテージフードという発想が定着しなかったようです。

高温多湿という”腐りやすい”というデリケートな環境の中、素材の繊細な味と旨味を最大限に取り出そうとする発酵技術の進化は、繊細で高度な日本的な技術進化とも密接に関係しているように感じます。

友人から誕生日にいただいた本。読み手をさらなる発酵の世界へ陥れるなかなかカオスな内容でした。

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