ボンドが強くて

ボンドの強さを思い知る

既存のカウンターを外して、そこにベンチを作る。
朝1番でカウンターの解体に手をつけたが、全く外れない。

カウンターの引き出しの奥にビスが見えていたから、ビスを全て外せば、ボンド付だとしても、叩けば取れるだろうという予想だった。

が、全く外れない。

最悪、天板が下地の内部に入っているかもしれないと予想していたが、そうではなく、天板は、ボードにのみこませてあり、忍びでビスが打ってあった。
ビスを見せないためによくやるやり方だけど、それだけでこんなに取れないはずがない。

このまま1人でやっても歯が立たないので、たくやさんが来るのを待つことにし、コンパネの下地の仕事を進めた。
無理をしたせいで腰を痛めた。

たくやさんが来て、2人で立ち向かったがなかなか外れない。
原因は、ボンドのようだけど、しかし、ボンドにしても剥がれなすぎる。最悪、裏打ちでビスを打っているのかもしれない。

カウンターは材料として再利用したかったが、丸鋸を入れて、細かくして”壊す”方法に切り替えた。

剥がれない原因は、やはりボンドだった。
他に隠れているビスはなく、ボンドが石膏ボードと完全に一体化し、ボードごともぎとる形になった。

しかし、こんなに剥がれないことは珍しい。
住宅のリフォームの解体と違い、施工からの期間が短いからかもしれない。

解体は、基本的に予想と検証。力技ではなく、どうやって作ったのか予想して、逆の手順でバラしていく。
作り方が予想と違うことがわかれば、それに合わせて解体する手順も変えていく。

でも、今回は、ボンドが相手なので、ほぼ力技だった。
ボンドは悪ではないけど、ボンド相手は、解体ではなく破壊になる。
それにしても、ほんとにタフだった。

無事、カウンターを外し、ベンチの下地ができた。
クッションの打ち合わせもできたし、完成が楽しみだ。

今日で、たくやさんが終わりになる。お陰様で、この3日間で壁の下地がほぼ終わった。
一人でやるより3倍以上早かったと思う。
たくやさん、ありがとうございました!!

明日は、壁内の下地と枠周りの下地をやれば、午後にはボードを貼り始められそうだ。

腰に湿布を貼って寝よう。。。

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Rはやはりめんどい。

今日は、二つ目のRのカウンターを作る。内壁と床も組んだが、ほぼ1日かかった。
Rって特別感があっていいけど、こんなめんどい納まり考えたの誰だよ。文句を言いたくなる(自分だけど笑)
縦方向の時はたいした問題はないけど、横方向のものをつけようとすると途端に大変になる。
真っ直ぐなら一本の下地で済むところを、Rに合わせて、8分割くらいの下地をいれることになるし、材料のロスも多い。
手間だなーと思うし、形が見えて来るとやっぱり、やってよかったなーとも思う。

Rの造作に苦心しつつも、たくやさんが他を進めてくれるから現場が進んで助かる。
特に斜めのスロープとRのカウンターと壁の取り合いを片付けてくれたのは大きい。
ただ、現場のすすむスピードに追い越されないように、いろんなことを決めていかないといけない。

イメージを80%物理的にするのは割と簡単で、問題はそこからの20%だと思う。
そこからは、ものすごい細かい決定事項があって、完成度が高まるにつれて、さらに細かい決断と選択が増えていく。
現場の帰り道、2つ目のカウンターの仕上がりをどうするかイメージを考え続けたけど、まだ悩んでる。でも、あともう少し。。。

とはいえ、たくやさんが明日で最後なので、細かいディテールの落とし込みよりも、ベンチの造作とボードにも手をつけたい。明日の優先順位はそちらの方が高い。

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よきR

いいRだと自画自賛な1日。

今日から、夏時間にした。現場は朝7時スタートの16時までかな。
日が長くなると得した気分になる。

先輩のたくやさんが3日間応援にきてくれているので、一気にで進めたい。
自分は、Rのカウンターを作り、たくやさんに曲がりの強い梁との取り合いの方を進めてもらった。
たくやさんが曲がりの強い梁との取り合いは、垂木に鋸目を入れて馴染ませるようにしていた。
自分ではその発想に至らなかったので、勉強になった。曲がった木材はまるで脊椎のようだ。

ここは半割で作ろうと思っていたが垂木で作ることになったので、間柱分として追加で1寸の35を発注した。
それでも、足りない分は、半割を2本を挽割った。

集塵丸鋸は、圧倒的にゴミが出ないから便利。今日は1台体制でたくやさんと重なることがあったので、明日からは集塵2台体制にする。一台はスライド丸のこにしよう。
そうだレールも忘れないように積んでおこう。あとジグソーも。

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雪が降る

ほんのり雪の降った4/1

朝の雪はとても軽く、風に揺れながら、桜の花びらのようにふわふわと降っていた。北海道らしい新年度の始まりだなとか思っていたが、数時間後には、吹雪く瞬間もあり、それもまた北海道らしい。

今日から、現場が始まった。今日の目的は最終的にどこに何が来るのか決めること。
昨日、材料屋さんに連絡してあり、午前中に必要な材料を連絡し、午後に配達してもらうことになっている。

現場に着くとすぐに昨日作った円形のパーツを組み立てた。
実寸を配置して最終的なレイアウトを決めるため。

実際に配置してみると2つのことに気がついた。
まず、大きすぎた。そして、当初の予定よりも柱のところに配置したほうがよさそうだ。

サイズは致命的だけど、やり直すなら早い方がいい。このサイズにこだわる理由もない。
お客様には、「でかいっすね。小さく作り替えます」と軽めに伝えた。
こちらの問題なんだけど作り替えるのは、お客様にも心理的な抵抗があるもので、こういう時はできるだけ申し訳ないと言う気分にさせたくないと思うけど、実はなかなか難しい。

スタッフの皆さんも集まり、2時間くらいいろんな話をして、大体の形が決まった。
昨日から考えていたベンチを作る提案は、あっさりと受け入れてもらえた。よかった。

何を大切にしていて、何を変えたいのか。よりクリアになってきた気がする。
8割くらい決まってあと2割は作りながら、落とし込んでいければと思う。

午前中に発注した材料は、2時には入ってきた。石膏ボードは月曜に来る。
3時には作業場に戻り、小さい円形のパーツを作り直した。
丸鋸の刃は、もうダメそうだ。

今日の学びは、円形のようなパーツは、いきなり、本物を作らず、サイズの確認用に5mmのベニアでサンプルを作るべきだった。
でも、大きい円のパーツもちょうどいい使い道が見つかったから、結果よし。

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新しい現場

明日から新しい現場がはじまります。

その準備で今日は、直径1200mmの円を作るための材料をカットしました。

これくらいのRであれば、丸鋸でもちょっと無理をすれば切ることができます。
ちょっと力で曲げながらカットするので側面が焦げます。
フリーハンドで切るので、正確な丸ではなく、少しラフな感じです。

正確なパリッとした円を作る場合は、ルーターかトリマーを使いますが、今回は、ちょっとラフなくらいがちょうどいいなと思い、この方法にしました。

人間の目はとても優秀で、こんなわずかな”ゆらぎ”のようなラフさにも何かを感じるから不思議です。

機械で作った精度の高い円も魅力的です。そこには、少し緊張感のようなものがあって、その背景には、自然界にはないある意味で”不自然さ”があり、その異質さが魅力的なのかもしれません。

一方で、人の手で作る不完全な円も魅力的あり、機械にはできない、作り手の存在を感じさせるものがあるし、情緒があるように思います。

よく「まるで機械で作ったような。。。」と言いますが、作り手としては、やはり褒め言葉であり、”機械で作ったような”ではなく、”まるで”の部分に憧れと尊さを感じます。

3時間近く、ひたすらカットしたので、首と手首が痛くなりました。

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